保育園の生活発表会のねらい 年齢別
保育園の行事の中で一番の大きな行事ともいえるのが生活発表会の劇ですね。
生活発表会の劇は子供たちの成長を保護者の方に見てもらえる大きなイベントです。
劇でのねらいによって声掛けや子供たちへの教え方が変わってきます。
保育者が劇を進めるにあたって悩むところは、「ねらい」ではないでしょうか?
ねらいをしっかり決めて進めていくと、子供たちや保護者、保育者にとっても素晴らしい劇になります。
そんな生活発表会での劇のねらいについてまとめてみました。
保育園の生活発表会の劇の意義は?
子供たちは保育園の生活の中で成長する中で、様々な遊びを覚えます。
保護者は保育園での様子を見ることができませんので、生活発表会で今までの保育園生活での成長を見てもらうことができるイベントです。
生活発表会の劇には、子供たちの成長を見せることができる要素がたくさんあります。
「劇」というとセリフを覚えて発表する。と考えがちですが、誰のための発表なのか?考えて下さい。
発表会の劇は子供たちの日常や遊び、生活の延長線であり、劇の中でいかに遊びや生活の要素を盛り込むことができるかが重要になってきます。
そのためには日々の保育のなかで、子供たちがどんなことに興味を持ち、どんな遊びができるのか?どんな言葉のやり取りをしているのか?などしっかりと1年を通して観察していく必要があります。
クラスによっても子供たちの性格や得意分野など違ってきますので劇のカラーも変わってきます。
そのクラスにあった劇を保育者は考えていかなければなりません。
そのためにも「ねらい」はとても大切になってきます。
次はその「ねらい」についてのポイントをお伝えしていきます。
保育園の生活発表会の劇のねらいで年齢別でおさえておくべきポイント
生活発表会の劇を行う前に必ず「ねらい」を決めます。
「ねらい」にそって劇に向けて進めていく必要があるので、年齢別でのおさえておくべきポイントをご紹介していきます。
0歳
0歳児は月齢による発達に差が大きいです。
お話を元にした劇ではなく、楽しみながら普段の保育に少しアレンジを加えたもので、名前を呼んで手をあげたり、手遊びやリズム遊び、絵本を見るなどの方法で行うと良いでしょう。
子供たちが普段している遊びで楽しい表情で遊ぶ様子や、体を動かしている様子、簡単な言葉でのやりとりの様子が発表できるようにしていきましょう。
1歳
1歳児は表現したいという思いが芽生える時期です。
保育者は子供たちの意欲や思いを十分、受け止めながら語りかけたり歌いかけたりしましょう。
子供たちの好きな絵本の中からアレンジし、歌や手遊び、体を使って遊ぶ様子を発表できると良いですね。
2歳
いろんなお話に興味や関心が出てきます。
保育者との言葉のやりとりもある程度楽しめる年齢ですので、劇の中で保育者や友達と、言葉のやりとりを楽しめる内容にしたりると良いでしょう。
2歳児クラスのになると役の感覚もついてきます。
簡単な筋や言葉の中にもストーリー性があるものを楽しむ年齢になりますので、昔話など筋の繰り返しが多い題材などもできるようになってきます。
3歳
3歳児になると子供たちの遊びにも大きく成長がみられます。
普段の遊びのごっこ遊びも乳児期とは違ってきます。
またこの年齢はヒーローやヒロインが大好きな時期ですので、子供たちの成長に合わせた冒険ものなどが良いでしょう。
ストーリー性のあるお話を、簡単な言葉を使って子供が言うように工夫していくと良いです。
4歳
4歳児になると、よりいっそうスケールが大きいお話に取り組めるようになってきます。
筋が複雑なお話にも興味が出てくる年齢です。
しかし、子供たちが楽しんで取り組めることが一番ですので、劇遊びを深めていく中でも無理なく楽しめるように勧めていく必要があります。
お話を自分でイメージし音や動き、絵などで表現したり、演じる楽しさを味わえるようにしましょう。
5歳
5歳児の生活発表会の劇は保育園生活の総まとめの時期になります。
見せることばかりにこだわって、子供に合わない内容を選ぶことはだめですが、劇の題材の持つテーマなどにも深みをもたせる必要があります。
また劇の中で、お話を表現するだけでなく、お友達と劇を作っていく楽しさを感じれるようになります。
5歳児では難しい題材にも挑戦できますが、子供たちで作っていく創作劇も良いでしょう。
では次は保育園の生活発表会の劇のねらいの例文集をご紹介します。
保育園の生活発表会の劇の年齢別ねらい例文集
0歳
・歌やリズムにのって手足や体を動かして楽しむ。
・様々な音、形、色、手触りと出会い興味を持つ。
・身近な絵本に興味を持ち、保育者との触れ合いを楽しむ。
・保育者と簡単な言葉のやりとりができる遊びを楽しむ。
・保育者と歌をうたったり、体を動かしたりすることを楽しむ。
・保育者と一緒に絵本を見て楽しむ。
・保育者の真似をして、自分でやってみようとする気持ちを持つ。
1歳
・保育者と言葉のやりとりを通して語彙が増え、言葉を使うことを楽しむ。
・保育者や友達と簡単な言葉のやりとりを楽しむ。
・好きな歌をうたったり、リズム遊びをしたりする楽しさを味わう。
・保育者と一緒に簡単な言葉の繰り返しや模倣を楽しむ。
・絵本に親しみを持ち、保育者と一緒に表現遊びを楽しむ。
・自分でやってみようとする意欲を持つ。
2歳
・好きなものになって表現することを楽しむ。
・保育者や友達と一緒に同じことをして楽しむ。
・保育者と一緒に歌や体で表現することを楽しむ。
・保育者と関わりながら簡単なあいさつや返事をすることを喜ぶ。
・簡単で繰り返しのある絵本や紙芝居を保育者と一緒に楽しむ。
・自分の思いや要求を表情や言葉で表す喜びを味わう。
3歳
・言葉のやりとりをしながら、自分なりに役になりきって動くことを楽しむ。
・みんなで一緒に遊んだり表現することを楽しむ。
・音楽や物語に親しみ、友達と一緒にイメージを膨らませ、様々な表現をして遊ぶ楽しさを味わう。
・歌ったり体を動かしたりすることを楽しむ。
・共通に体験したことや絵本などの話をもとにイメージを持ち、なりきって遊ぶ中で、いろいろな動きを楽しむ。
・絵本やお話などに親しみを持ち空想しながら聞いたり、言葉のやりとりを楽しんだりする。
4歳
・自分のなりたい役になり、自分なりの動きや言葉で表現することを楽しむ。
・友達の思いや動きを受け止めながら表現して遊ぶことを楽しむ。
・自分の思いを言葉で伝えながら、友達と関わって遊ぶことを楽しむ。
・お話の世界を共有し、役になって遊ぶことを楽しむ。
・劇遊びの中で、役になって楽しもうとする気持ちを持つ。
・友達と一緒に共通のイメージを持って遊びを楽しむ。
・友達とお互いの表現を認めあいながら、劇に一緒に取り組むことを楽しむ。
5歳
・共通の目標に向かって相談したり協力したりしながら、やり遂げる達成感や満足感を味わう
・役に合わせて表現を工夫しながら、劇を楽しむ。
・自分のアイディアを出したり、友達の意見を聞いたりしながら劇遊びを楽しむ。
・ストーリーや場面に合わせて言葉を言ったり、動いたり、友達とやりとりすることを楽しむ。
・役になって遊ぶことへの意欲を高めていく。
・友達や保育者と一緒に行う中で劇遊びの楽しさを味わう。
・場面や役にそって、自分で言葉や動くを考えて表現することを楽しむ。
まとめ
保育園の生活発表会の劇のねらいについて年齢別にお伝えしました。
劇とひとくくりに言っても年齢によって劇の形は様々です。
各クラスにあった劇にするためにも一年間通して子供のことを理解していく必要がありますね。
ねらいを決めて進めていくのはもちろんですが、あくまでも子供たちが主役です。
そして保育者が決めつける生活発表会の劇ではなく、子供たちが楽しんで笑顔で取り組めるように保育者自身も楽しんで取り組むことが大切です。
発表会前は保育者自身がピリピリとしがちですが、それでは子供たちも楽しんで取り組むことができません。
保育者が全力で子供たちと取り組み楽しむことが、一番大切なことではないでしょうか。
準備などは大変で悩むことも多いと思いますが、終わった後の達成感と感動は格別です。
一人ですべて抱え込まずにみんなで協力して素晴らしい生活発表会になることを願っています。